ラボめし ~博多ラーメン編~

青葉山の夜は早い。平日でも学食は20:00に、購買は20:30に閉店する。実験したい盛りの院生たちにはすこし物足りない営業時間だ。最近キャンパス内にできた◯ブン◯レブンですら22:00に閉まる。改名して頂きたいものだ。24h営業の是非はおいといて、終夜で実験を行わなければならない院生のヘイトを集めている店舗であることはまちがいない。もちろん飲食店に困らない市街地であればキャンパス内の営業時間事情などどうでも良いのだがここは青葉山である。周辺にあるものといえば野草とクマくらい。あいにく私は食べられる野草が生えているポイントを知らないし、クマを討伐し生肉を剥ぎ取ることもできない。そうなると私たちは深夜に空腹を満たす算段を事前にたてなければならない。

夜食問題の解決策のファースト・チョイスは即席麺や弁当、惣菜などを事前に用意することである。店が閉まるなら開いているうちに買っておけば良い。自宅で弁当をつくってきてもよい。単純な解決策だ。一般的なラボには電子レンジや電気ポットは置いてあるだろうから熱々のものを食べられる。特にカップ焼きそばはスープの処理をする必要が無いので私は時たま箱買いしてラボに常備している。しかしそうなると訪れるのはカップ焼きそばを食べる日々。

カップ焼きそばを食べて合成。カップ焼きそばを食べて合成。カップ焼きそばを食べて合成。カップ焼きそばを食べて合成。カップ焼きそばを食べて合成。カップ焼きそばを食べて合成。カップ焼きそばを食べて合成。

こんな生活をしていると次第にカップ焼きそばに抗いたくなっていく。もっと人間らしいものを食べたい。私は合成マシーンではない。食事を楽しみたいのだ。

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主張の強い赤

そんなことを考えていると、ふと机上の赤い袋が目にとまった。博多ラーメンの袋麺である。学会のため福岡へいったという後輩が先程おみやげとしてくれたものだ。なんでも以前迷惑をかけたお詫びだとかでわざわざ買ってきてくれたらしい。そこまで気にすることじゃないのに。それはさておき博多ラーメンだ。結局乾麺じゃないかというツッコミが聞こえてきそうだがそんじょそこらのカップ焼きそばとはレベルが違う。今夜はこいつをいただこうと思う。思ったものの袋には麺とスープしか入っていない。さすがにそのままでは物足りない。せっかくかわいい後輩が買ってきてくれたおみやげだし美味しく食べたい。私は閉店間近の◯ブン◯レブンに駆け込んだ。

イメージ写真にあるトッピングはチャーシュー、ゆで卵、紅しょうが、ネギ、ごま。ゆで卵はすぐに見つかったが他のものはない。この店舗は品揃えが悪いのだ。他の薬味はなくても肉は欲しい。加工肉コーナーを眺める。ベーコン、ロースハム、生ハム、ウインナー、牛タンスライス…この中だとやはりベーコンだろうか。それとも生ハムか?肉トッピングの決定をを保留にして、コンビニ麺の具だけ抜いて食べるか…と別の棚へ視線を移すとそれはあった。豚バラ蒲焼き。これだ。私は豚バラ蒲焼きとゆで卵を購入した。

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エイトテンで購入

ラボに戻り、購入したものを一旦冷蔵庫にしまおうと扉をあけると、そこにはネギがあった。冷蔵庫からネギである。思い起こすと数週間前のものな気もするが、臭いを嗅ぐ限り大丈夫そうだ。おみやげの麺だけでは足りないだろうと、炊飯器をとりだすため棚を開けると、海苔とニンニクを発見した。棚から海苔である。棚からニンニクである。

まるで向こうからやってくるかのようにどんどんと食材がやってくる。感謝しながら私は麺を茹ではじめた…。

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材料は揃った

茹で上がればあとは盛り付けるだけ。食器棚を開けどんぶりを探す。いくつかちょうど良さそうな大きさのものを出してみると、博多の文字が光るどんぶりがあった。これは使うしかない。私はその一風堂にラーメンを盛り付けた。

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なぜラボにあったのだろうか?

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私は博多ラーメンを知らないのでこのトッピングは間違っているのかもしれない

予想よりそーとーそれっぽくできた。血迷ってベーコンを買っていたらせっかくのおみやげを台無しにしてしまうところだった。まずはメインの麺をいただく。うめえ。乾麺でこのコシを維持できるもんなのか。表示時間通りに茹でたらすこし柔かったのが残念。つぎにチャーシュー(?)。あ、これチャーシューだ。チャーシューって焼豚なんだから炭火焼きにした豚は焼豚だよね。(自分でも何言っているかわからない。)卵もうまい。私は半熟ゆで卵をつくるのが苦手だ。自分で作ったらこんなふうにならない絶妙な黄身の硬さだった。海苔はオリーブ要素完全にスープに負けてたのでただの海苔。残ったスープにはごはんを投入して最後の一滴までいただいた。

 

カップ焼きそばとは比べ物にならないくらい幸福度の高い食事をすることができた。これから残りの反応を仕掛けていこうと思う。院生の夜は長い。