げんげ
ある日、夕勤のバイトを終えた私は、西友で肴を物色していた。夕勤のバイトは日付が変わるころにあがることになるので、ちょうど生鮮食品や惣菜が値下げされているのだ。刺身はないかと鮮魚コーナーを眺めていると、そいつはいた。
山 形 産 げ ん げ
げんげ?げんげってなんだ?つーか5匹で¥100しないって安すぎでは?一体何者なんだ…???
思わずケータイをとりだしググる。最近ここの西友の鮮魚コーナーは攻めていて、以前にもマンボウとかサメとか到底一般家庭の食卓には並びそうにないお魚さんたちが陳列されていたのだがそれでも奴らの存在は知っていた。未知の魚との遭遇と第二形態に変態し人間を襲いそうな見た目に若干の恐れを抱きながら検索結果をながめる。
ゲンゲは、水深200メートル以深に棲む深海魚です。体長20センチほどで細長く、身は白く透明感があります。全身がヌルヌルとした分厚いゼラチン質で覆われおり、大きなおたまじゃくしのような印象です。身は適度な脂がのっており、漁村では昔から味噌汁の具や吸い物の種として使われていました。また、天婦羅や唐揚げにすると柔らかなフワフワした食感があり、干したものを軽く炙れば酒肴として最適と評価が高まっています。
なるほど旨そうな解説である。気づけば私は謎の深海魚をカゴに入れ、帰宅していた。再びググる。『げんげ レシピ [検索]』天ぷらや鍋、煮付けなどが出てくる。とりあえず白身魚らしいし天ぷらと煮付けにしてみることにした。
<下処理>
とりあえず頭とわたを取り除く。血(?)が黒い。洗って水気を切る。鱗は気にならなかった。
<天ぷら>
- げんげ 2匹
- マヨネーズ 大さじ1
- 水 75 mL
- 薄力粉 50 g
- マヨネーズに水を少しずつ加え、乳液をつくる
- 薄力粉を少しづつ加え、混ぜる
- 水気を切ったげんげに衣をつける← 衣つける前に薄力粉ふればよかった
- 揚げる
衣をつけるまえに小麦粉付け忘れたせいで揚げてる最中に衣が剥がれてしまった。
おそるおそるかじりついてみる。うまい。何だこれは…はじめて食べたはずなのに私はこの食感を知っている!口の中に入れた瞬間とろけるゼラチン質のなにか。それは兜焼きを食べた時の記憶と結びつく…そう、まるで目玉のような食感!げんげは全身目玉!目玉おやじ!
無心でパクついてると、なにかが口内でトゲトゲする。骨である。骨ごとイケる気がしてたけど三枚におろすべきだった。また遭遇したらリベンジしたい。
<煮付け>
- げんげ 3匹
- 水 300 mL
- 顆粒だし 適量
- グルタミン酸ナトリウム 適量
- 醤油 大さじ5
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 砂糖 大さじ3
- 調味料と水を鍋に入れ、沸騰させる。
- げんげを鍋に入れ、10 分ほど煮る。
げんげ、漢字だと幻魚だそうだ。とろとろでホントに美味しいので幻ではなくメジャーな魚になってほしいものだ。
<参考>